【作业中/未完成】【翻译】Febri Vol.53《Thunderbolt Fantasy 东离剑游纪2》特辑 石田彰访谈

2020-06-03

本翻译曾发布于本人的新浪微博@宅家吃土K喵喵 。

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日语原文&简中翻译对照版,仅供学习参考使用

《Febri Vol.53》P53 杂志原图 《Febri Vol.53》P53 杂志原图

Febri

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Interview

諦空(テイクウ)/婁霞戒 (ロウシンカイ)役

石田彰

第2期における最大にして特異な敵として立ちはだかった男、諦空/婁霞戒。このエキセントリックな役を演じたのは、類い希なる表現力と艶を持つ石田彰。役柄への思いやお芝居について、余すことなく語ってもらった。 (取材/前田 久 構成/細川洋平)

PROFILE

いしだ・あきら 11月2日生まれ。愛知県出身。ピアレスガーベラ所属。主な出演作品に『新世紀エヴァンゲリオン』『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』(渚力ヲル)、『昭和元禄落語心中』(八代目 有楽亭八雲/菊比古)、『深夜!天才バカボン』(レレレのおじさん)などがある。

PEERLESS GERBERA。《深夜!天才傻鹏》(来来来大叔)

―― まず、『Thunderbolt Fantasy Project』の印象、また布袋劇の印象というのはいかがでしたか?

石田 人形劇でこういったお話をやるというのは、他にないなと感じました。人形劇と言われれば、僕はNHKの夕方枠などで放送されていたようなテイストや物語を思い浮かべてしまうので。正直に言うと「なぜこれを実写やアニメではなく、人形劇で?」とも思いました。その明確な答えが見つかったわけではありませんが、台湾の布袋劇の技術は驚きをもって受け止めましたし、日本の人形劇とは違うところを目指しているのだと感じました。日本の人形劇よりも、もっと人間に近づけようとしているというか。ああいった人形のビジュアルにも驚きました。

―― テイストが違いますよね。本作のシナリオを受け取ったとき、諦空と婁震戒という役に対してはどんな印象を持ちましたか?

石田 僧侶だけどそこにまとまっていない、常に自分の生き方への疑問を抱えているすこく面白いポジションのキャラクターだと思いました。

―― 僧侶・諦空はまさに虚淵さんの脚本ならではの善とも悪ともつかないキャラクターでした。役をつかむためのとっかかりはどこに見出しましたか?

石田 「僧侶として衆生の人々を救うために誰にでも優しく接するが、その内面にはさまざまな思いや悩みを抱えている」のか、それとも「そもそも僧侶としてのルールを持たずエゴイスティックで、誰であろうと会った人には自分の疑問を投げかけずにはいられない人」なのか。どっちでいけばいいのかと、最初の収録のときに虚淵さんに伺ったんです。そうしたら「この人は道を外れます。『スター・ウォーズ』で言ったらダークサイドに堕ちる人です」といったニュアンスで方向性を示してくださったので、じゃあ僧侶らしくないほうがいいんだ、と。

―― あの不思議な問いかけは、どう消化して演じていたのでしょうか?

石田 複雑には考えていなくて。自分が求めている答えが相手から返ってくる、こないにかかわらず、とりあえず問いかけを発してみる。真剣に答えを探してはいるし、早く見つかればいいとは思っているけど、人生をかけて探していくべきものだという考えが根本にある。そういう人なんだと、素直に受け取りました。

―― ある意味、純粋とも言える?

石田 純粋すぎるからこそ、世の中の濁りと折り合いをつけられなかったんでしょうね。そして、その純粋さが悪のほうに大きく作用してしまった。

―― 仰るように、彼は七殺天凌と出会ったことで豹変してしまうわけですが、そこの演じ分けはどう意識していたのでしようか?

石田 いえ、特に変えようとは思っていませんでした。自分の中でハッキリと答えを見つけて、迷わず物事に対峙できるようになった。それで物言いが断定的になり、強い語気や強い姿勢といった部分が出てきた。でも、それはもともとのキャラクターから大きくズレるものではありません。台本に書いてある状況に沿って自然に演じればそうなるだろうというのが婁震戒でした。

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―― 視聴者としては、つい「闇堕ちした」と考えがちですが、石田さんはアウトプットが変わっただけで、内面は変わっていないと捉えていたと。

石田 思っていることをどこまで表に出すかの“程度”の違いだけだと思っていました。でも、彼がこだわり、求め続けていた答えがあのようなものだったということに対しては、実は僕自身もまだ整理がついていません(笑)。物語上そういう人だったから、ということでやっています。

―― あんなに哲学的な人物が、バシッと答えにたどり着いてしまうというのは不思議と言えば不思議ですよね。

石田 いかにロジカルな人でも七殺天凌という魔剣の影響からは逃れられなかった、というオチなら、「所詮は人間だね」とも言えるのですが、そうではないわけですから衝撃でした。

―― ある意味、彼は七殺天凌より危ないヤツだった。石田さんは七殺天凌と婁震戒の関係についてはどう捉えていましたか?

石田 七殺天凌に天啓を受けて「これが答えだ!」に至るロジックを整理できていないので、そういうものだとしか言いようがないのですが。ただ、「七殺天凌はこうあるべき」「彼女とともにこうありたい」という婁震戒の考えが、七殺天凌が引いてしまうくらい突き抜けているのは良かったと思いますし、そうでなくてはあの剣を我が物にしようなどとは思わなかったはずです。普通の人なら目をつぶって社会に合わせた生き方をするけど、それをせず、自分の根本をとことん見つめ直すような人だからこそ、この世で最高の存在=「美」とともにいるために生まれてきたと思い込めるんですよね。僕は、彼が七殺天凌といるときにどう考えていたかよりも、もっと根本、生まれてから物心つくまでの彼の生い立ちのほうが興味深いです。どうしてこういう人間が生まれたのか。

―― 蠍瓔珞と七殺天凌の関係は“主従関係”で括れると思いますが、婁震戒と七殺天凌の関係性は“恋愛”?

石田 婁震戒にとっては、彼女のそばにいることを許してもらえる限り無償の愛を注ぐ。だから、捨てられるなんて考えられない、ということなのかと。恋愛云々ではなく、もっとすごく純粋なレベルのところにある関係性と言えるのだと思います。

―― 布袋劇のアフレコについても聞かせてください。アニメや特撮とは違うというお話は、これまでにさまざまなキャストさんから聞いています。

石田 あくまでこの作品に関わった実感としての発言で、布袋劇全体に言えることではないのですが、アフレコの手順としては洋画と同じで、現地の言葉で完成しているものを吹き替えるという作業なんです。ただ、ビジュアルや操演の技巧が現代的である一方で、原音のお芝居はすこくトラディショナルな印象でした。日常会話としてのセリフ回しではなくて、もっと朗々と歌い上げるような。それを現代劇っぽい口調と言い回しで吹き替えるので、どうも尺が合わない。なるべく間を引き延ばしつつ、それが難しいときは、台本のセリフのニュアンスが変わらない範囲で言葉を足す。そういう作業が毎回必要だったのは、この作品ならではでした。

彼が求め続けていだ答えがあのようなものだったことに対しては、 僕自身まだ整理がついていません(笑)

―― 現地の布袋劇では、劇中のセリフはすべてひとりの口拍師さんが演じているそうです。

石田 そうなんですか!

―― 人形が見得を切るのに合わせてセリフの節をつけるのが大変だという話も聞きますが。

石田 そうですね。でも、逆に見得を切っているところを目当てにしないと合わせられないです。そもそも吹き替えの現場では、レシーバーをつけて原音を聞きながらやるというのが普通なのですが、今回、最初にスタジオに入って驚いたのは、誰もレシーバーをつけていなかったことです。役者の自由度が上がるほど、台本と現地のお芝居の“間(ま)”に差が出るんです。アニメなら口パクやボールドに合わせてセリフを入れますが、布袋劇では口パクもあまりない。だから、事前に家で映像と原音を確認して、もとのお芝居とアクションの尺を覚えて、自分の場合はどのアクションにどのセリフを合わせるのかを考えておく。そうしないと成立しないくらい、その作業は重要でした。

―― 尺に収まる範囲であれば、お芝居の自由度も高かったのでは?という気もします。

石田 自分の理想とする“間”が取れないというストレスはありましたが、自分なりにお芝居と“間”を解釈して進められましたし、さっき言ったようなセリフの変更を役者に任せていただけた現場なので、そういう利点はありましたね。

―― 長い時間を生きる妖艶な女性を演じる悠木(碧)さんと、それと対等もしくは少し若い役柄の石田さんの掛け合いは、視聴者目線からすると新鮮でした。

石田 僕は役との差に対する意識は特にしていませんでしたが、実年齢の上下が逆転しても演じられるというのは、お芝居の面白さですよね。

―― 最後になりますが、虚淵作品は長いセリフ回しを筆頭に独特の雰囲気があるかと思います。『Fate/zero』『PSYCHO-PASS サイコパス』『Thunderbolt Fantasy Project』と参加した石田さんから見て、その魅力は何だと思いますか?

石田 3作品の色が違いすぎて、虚淵さんはすごく幅の広い人なんだという印象のほうが強いです。才能のある人は何でもできてしまうんだな、と。特に『Thunderbolt Fantasy Project』は大陸系の色濃いファンタジーですから、きっと台湾や中国にある下敷きになるような物語も参照しながら、作品全体の設定や出てくるワードなど随分気を使って考えられたのでしょうね。

―― 虚淵さん特有の哲学的で観念的なセリフを発するのはどんな感覚でしょう?

石田 実感を伴いながら言うことは、やはり難しいですね。なかなかできません。それこそ、「そうなのか」と自分なりに咀嚼できる範囲内だけでやっています。

―― 諦空と婁震戒は面白い役でしたか?

石田 ええ、面白かったです。極端な人なので。そういう役をいただけて演じられるというのは、すこく面白いです。

―― 今回、虚淵さんの中には最初から諦空は石田さんというイメージがあったそうで、お芝居もバッチリだったと伺いました。

石田 そうですか。そう言っていただけるのはありがたいですね。

〈完〉